母の死に直面したときに
私の背中を
そっと撫でてくれた
1冊の本。
小堀鷗一郎氏と糸井重里氏の対談本、
「いつか来る死」。
小堀氏は医学博士で訪問診療医を
されていた方、
糸井氏はほぼ日の代表だ。
実はこの本との出会いは
もう5年程前。
食事中、母の喉が鳴って
食べ物が通らなくなる、
ということが頻繁に
起こり始めたことがあった。
あまりに起こるので
診察してもらったら、
「食道に悪性の腫瘍が
できている可能性が高い」
と言われ、
そのまま検査入院となった。
折しもコロナ蔓延の頃。
いったん入院すれば
面会できない。
あベッドに横たわったまま
すぐさま運ばれていく母に
不安に思わせないために
わざと軽い口調で
「入院して検査してもらうからね」
と声をかけるのがせいぜいだった。
最悪のことにでもなれば
これが最期になる可能性も、と
なすすべなく見送ったのだった。
母がいなくなった部屋。
母の椅子 ノート 髪用ブラシ
コップ 髪どめ・・・
何を見ても悲しく
もしこのまま・・・
ということになれば
これらがみな”遺品”という名に
変わるんだ、などと
考えてしまう。
著書「いつか来る死」に
出会ったのは、この頃だ。
どうやってこの本を
知ったのだったろう。
何かで出版の広告を見た、とか
そんなことだったような
気がする。
いてもたってもいられない、
そんな気持ちをしずめる
”何か”を探してたのだ。
ー 死というものは
身近にあるもの
死を必要以上に
怖がらなくてもいい ー
そんな言葉に慰められ
気持ちが落ち着いた。
検査の結果は、
悪性腫瘍ではなく
逆流性食道炎と診断された。
力が抜けた。
ほどなく
母との短い面会も許され、
退院することができた。
![]() 価格:1540円 |
(つづく)
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